2023年6月12日
「寄り添う」について考えさせられたこと
「だーれも寄り添ってはくれないからねえ」
と苦笑いしてたのは、よく会う清掃の仕事をしている72歳の女性。
寄り添うとは何か・・・。
アニモ・パッソも軽々しくこの言葉を使ってはいないだろうか?
「寄り添う支援を大事にしています」「求職者に寄り添っています」
この女性、旦那さんが余命6ヶ月と宣告された。
「残り数か月かもしれないが、お父さんに寄り添っていたい」
「おうちで過ごさせてあげたい」
「不安だろうから少しでも和らげてあげんとね、私だって不安やけど」
ソーシャルワーカーに相談した。
けれど、制度が使えるか使えないかしか教えてくれなかった。
「もうどこに相談していいかわからへん」と仰った後、
「だーれも寄り添ってはくれないからねえ」と冒頭の言葉。
女性にとって寄り添うとは、「不安を和らげること」「先の見通しを持つこと」だった。
私たちは「寄り添う」という言葉の重みに気付けているだろうか。
最後に女性は、
「辞めたらもうどこも雇ってくれへんよなあ」
「兄ちゃんのとこでたのむわ」と冗談交じりに笑いながら仕事に戻った。
僕らに何ができるか、どうしていきたいか考えさせられた。